保育所会計センターブログ

【保育施設における消費税の取り扱い】

保育施設は、その形態によって消費税の取り扱いが異なります。

まず、保育施設のうち、認可保育所、認定こども園、小規模保育園などは、第二種社会福祉事業でありますので、このような施設において社会福祉事業として行われる資産の譲渡等は非課税となります。

ただし、企業主導型保育園や東京都における認証保育所など自治体が独自に設けている制度によって認可・認証を受けている保育施設は、社会福祉事業ではありません。

本記事では、社会福祉事業である認可保育施設のほか、社会福祉事業には該当しない認可外保育施設の消費税の取り扱いについて記述していきます。

まず、認可保育所及び認定こども園は社会福祉法第二条に定める第二種に該当し、また、消費税法によって、社会福祉事業として行われる資産の譲渡等は消費税が非課税になるとされています。

このため、委託費並びに給付費、延長保育を含む保育料、給食費、保育に必要な備品類の保護者負担金などは消費税が非課税となります。

ただし、例えば、希望者にのみ販売する絵本等の物品、写真の販売などは社会福祉事業として行われる資産の譲渡等には該当せず、消費税が課税されます。

また、職員から徴収した給食費も社会福祉事業として行われる資産の譲渡等には該当しないため、注意が必要です。

認可保育所や認定こども園と同じ施設内において、一時預かり事業や地域子育て支援拠点事業を実施することがよくあります。

これらは、認可保育所や認定こども園とは別の事業という位置づけです。

ただ、一時預かり事業や地域子育て支援事業も、社会福祉法に定める第二種社会福祉事業ですので、その事業として行われる資産の譲渡等は非課税となります。

次に、小規模保育園の消費税について解説していきます。

小規模保育園も、認可保育所や認定こども園と同様に、社会福祉法に定める第二種社会福祉事業ですので、基本的には保育料や給食費など、社会福祉事業として行われる資産の譲渡等は非課税となります。

ただし、社会福祉法第二条第四項4号において、定員が10人に満たないものは社会福祉事業には含まないとされています。

小規模保育園の中には定員が10人以下の施設もありますが、そのような施設では保育料や利用者から受け取る給食費なども消費税が課税されることになります。

企業主導型保育所や東京都の認証保育所のような自治体独自の制度により認可等を受けた保育施設は、認可外保育施設という取り扱いとなり、社会福祉事業ではありません。

そのため、上記の様な保育施設においては、原則としてその資産の譲渡等には消費税が課されます。

しかし、消費税法施行令第14条の3で社会福祉事業等として行われる資産の譲渡等に類するものは、社会福祉事業として行われる資産の譲渡等と同様に消費税が非課税とされています。

具体的には、都道府県知事等から、「認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書」の交付を受けている場合には、社会福祉事業に類する事業として取り扱われます。

この証明書の交付がある場合は、認可保育所等と同様に、保育料や利用者から受け取る給食費などの消費税は非課税となります。

今回の記事では保育施設における消費税の取り扱いについて解説しました。

認可外保育施設や小規模保育園では必ずしも認可保育所と同様の取り扱いとはなりませんので、要件を充足しているか確認が必要です。

また、認可保育所など社会福祉事業であっても、職員から受け取る給食費など一部には消費税が課税されることになります。

なお、本記事の内容は、保育施設の状況により専門家でも判断を迷う論点となります。

保育施設を運営している法人は、税務署や税理士などの税の専門家と相談にうえ、税務に関する判断を行うようにしてください。

【保育所の消費税】
【保育所の消費税(2)】
【消費税の改正情報】

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この記事の監修者

株式会社アダムズ
代表取締役 堀井淳史
公認会計士・税理士・行政書士

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